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本への書き込み

08 12月.2020

皆さん読書は好きでしょうか。

 

僕は父親が特に読書が好きで、子供の時から家にたくさんの本があり小さい時から親しんでいたことに加え、中学に上がって以降は特に妹にテレビを独占されてしまい、必然的にたくさん本を読むようになりました。

 

 

さて、読書が好きな方は特にお分かりかと思いますが、読書の方法も人によって千差万別です。

読書は紙の本に限る、という人もいれば、もっぱら電子書籍でいつでもどこでも読めることを重視するという人もいます。

早くたくさんの本を読むことを好む人もいれば、ゆっくりと時間をかけて味わうことを重視される方もいます。

 

そんな中で一つ最近になって意見が変わったことがあります。

それは「本に書き込みをするかどうか」です。

 

僕は元々、本は綺麗なままにしておきたい人間だったので、常にブックカバーをつけ、何なら帯まで取っていました。したがって、本に書き込みをするなど考えられないことでした。

 

ところが最近になり、父方のおばあちゃんの家から借りてきた本を読み始めたのですが、そこにお父さんの手による書き込みを見つけ少し考え方が変わりました。

 

始めは「書き込みや印がつけてあることで集中して読むことができない」と不満だったのですが、読み進めていくにつれそれらの印や書き込みからお父さんの考えが垣間見え、半ばお父さんと会話をしながら読んでいるような気持ちになってきました。

さらに興味深いことは、その本をお父さんが読み書き込みをしたのは彼が今の僕と同じくらいかそれよりも若い年齢の時だった、ということです。

 

もちろん普段のお父さんとの会話の中でお父さんの考えを知ったり、若い頃に何を考えていたのかを断片的に聞いたりすることはありましたが、今回は現在のお父さんの口を通してではなく当時のお父さんの書き込みを直接読んでいる分、よりダイレクトに当時のお父さんを感じられるような印象を受けました。

 

もちろん若い頃のお父さんの考えを知るという意味においては、本への書き込みのみならず日記等、当時のお父さんのアウトプットを見れば同じような感想を受けたかもしれません。

ただ、本への書き込みというのは本の内容というインプットに対して自分がどう感じたかの記録です。そういう意味ではこの“本への書き込みを読む”というのはお父さんのメッセージを僕が対面して受け取るというのではなく、同じものを同い年のお父さんと横に一緒に並んで見ているような、そんな感覚を受ける体験でした。

 

 

この体験を通して、今まで絶対にNGだった本への書き込みに対する見方が少し変わりました。今は本への書き込み、というのは読んだそのタイミングの自分自身をそこに閉じ込めるようなものかな、と思っています。

そして、再びその本を自分が読んだ時や誰か別の人が読んだ時に、直接的ではなくある種横に座って同じものを見るような形でコミュニケーションを取る、そういった素敵な経験を作るものになると気付きました。

 

年末年始の読書でいきなり全ての本にたくさん書き込みをしていくとはいきませんが、お気に入りの本や何度も読み返したい本にこそ、書き込みをしてみようかなと思っています。

 

 

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Photo by Aaron Burden  on Unsplash

 

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