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「正しいことを言うときほど控えめに言う方が良い」
これは詩人・吉野弘さんの「祝婚歌」という詩の一節なのですが、この言葉は本当にそうだなぁと最近とても胸に沁みます。
詩の一説を引用してみます。
“互いに非難することがあっても 非難できる資格が自分にあったかどうか
あとで 疑わしくなるほうがいい“
“正しいことを言うときは 少しひかえめにするほうがいい”
“正しいことを言うときは 相手を傷つけやすいものだと 気づいているほうがいい“
対立が起きている時に、「絶対に自分の方が正しい!」と思っていると、ついつい相手を言い負かして屈服させようとしてしまう。そんな時、人間の口調は強くなり、また表情も攻撃的なものになる気がします。
ですが、どれだけ強い口調で自分の正当性を示そうとしても、相手はすんなりそれを受け入れないばかりか、むしろ反発を示します。なぜならば発言者の表情と口調が、怒りと攻撃性に満ちているからです。
相手を変えたかったら、攻撃せずにまずは受け入れること。
こうした大切な原則を、我々はすぐに忘れてしまいます。自分がされたときに嫌な気分になるのに、自分がやっていることには気づきません。
「自分は正しいことを言っている」と信じているのであれば、正しさを相手に証明してわからせる必要はありません。むしろ口調は控えめに、丁寧にしましょう。
なぜならば、図星のことを言われたときほど、人はショックを受けて、そして腹が立つからです。それなのにさらに口調も攻撃的に来られては受け止められるものも受け止められなくなります。
相手のことを思うのなら、また、コミュニケーションを通じて望む成果を得たいのなら、自分の伝え方に気を付けなくてはいけません。
最近自分自身のコミュニケーションについてちょっと反省することが多いので、この言葉をピン止めしておこうと思いました。