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Asian Identityの藤岡です。現在は組織・人事コンサルタントとして働いていますが、バックグラウンドとして僕はもともと語学の人間です。大学では外国語学部のタイ語専攻というところでタイ語を専門に勉強していましたし、タイのチュラロンコン大学に1年間交換留学にも行きましたが、その時も文学部のタイ語専攻でした。そこで、今回は「言葉」の視点から普段思っていることをお伝えできればと思います。
実はこの8月の初旬に早めのお盆休みを兼ねて日本に帰省していたのですが、その際様々な家電量販店で自動翻訳機を見かけました。語学を勉強していた身として、(また目新しいもの好きとして)興味を持たないわけにはいかず実際に機械を手に取って試してもみました。もちろん、すべての言葉を間違いなく分かりやすく訳してくれる、というところまではいきませんでしたが、それでも基本的なコミュニケーションを取れるレベルのクオリティはあるな、と感じました。また、そういった特別な機械でなくても、最近は音声認識をしてその場で翻訳をしてくれるアプリもとても進歩しています。
さて、海外で働く日本人が苦労することの一つに現地のスタッフとのコミュニケーションがあるのですが、こういったツールはこのコミュニケーションの問題を解決してくれるのでしょうか。個人的には、ここ数年の音声認識および翻訳のレベルの進歩を見ていると、いずれはこのような機械やアプリなどのツールを普段のコミュニケーションで活用していく光景が広がってもおかしくないと思っています。
ただし、これが現地の人とのコミュニケーションをスムースにして、様々なコミュニケーションの問題を解決に導くかといわれると、話はそこまで単純ではないと思っています。
僕がタイで様々な組織のみなさまのお手伝いをさせていただく中で一つ気付いた興味深いポイントとしては、「タイ人のスタッフから慕われている日本人は、ある程度タイ語を話せることが多い」という事実です。
もちろん、ここでいう“話せる”というのは何も業務のすべてをタイ語で行えるレベルなどではなく、簡単な会話をタイ語でできたり質問の応答をタイ語で出来たりするレベルですので、語学的にコミュニケーションが圧倒的にスムースになりその結果仕事で慕われやすくなった、という話ではありません。
ただ、一生懸命タイ語を学び話そうとしているということが、タイ人のスタッフにとって「私たちのことを理解しようとしてくれている」という何よりのメッセージになり、ひいては信頼を勝ち得ていくのではないかと思っています。
僕の好きな言葉に次のような言葉があります。これは、南アフリカ共和国の政治家・弁護士でアパルトヘイト撤廃に向け活動をしたネルソン・マンデラ氏の言葉です。
“If you talk to a man in a language he understands, that goes to his head. If you talk to him in his language, that goes to his heart. (あなたが誰かと話をする際に、その人が分かる言葉で話すと、その内容はその人の頭に届く。もしあなたがその人の言葉で話すと、その内容はその人の心に届く)”
会社には優秀な通訳の方がいるかもしれません。
優秀なスタッフたちは英語でも問題なくコミュニケーションを取れるかもしれません。
技術の進歩で様々な翻訳機械やアプリが使えるようになるかもしれません。
でも、そんな中であえて現地の言葉を学ぶことの意味もあるのではないでしょうか。
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