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生きることは手放して前に進むこと

29 11月.2019

「たくさん泣いた。自分の話をしたときに、やっと自分は前に進む準備ができた、と思った。」

‘I could prepare to move forward to the next step. ‘

 

この前のリーダーシップの研修、どうだった?と軽く聞いた私に、研修のファシリテーター(講師)を勤めたタイ人の同僚から返ってきた言葉でした。

 

同僚が寂しそうな笑顔でそう言うので、私は少しだけ泣きそうになりました。

タイ人は何種類もの笑顔を使い分ける、と言われますが

あのときの同僚の笑顔はどこか寂しくて未来を見据えた笑顔だったように思います。

 

私たちAsian Identityの名物ワークショップ、Identity Leadership workshop(略称IDL)。

自分を深く内省し、受け止め、自分のリーダーシップを見つける旅。

日本人向け・タイ人向け、双方で定期的に開講されている、手前味噌ながら弊社を代表するワークショップのひとつです。

 

「IDLには、大事なパートがいくつかあるけれど、一番重要なパートが何処か

ようやくわかった。最後の最後に、本当に自分自身を受け入れることができた気がする。」

 

先日、このタイ人の同僚は最後のIDLファシリテーションを終えました。

とても優秀な同僚は、来年にわたしたちの会社を去ります。

 

彼は様々なプログラムのファシリテーター(講師)をこなしつつ、この名物ワークショップのファシリテーター(講師)として活躍してくれていました。

わたしたちチームにとってとても大事な存在です。

 

彼は、この1年の中でとてもつらいことがありました。

大切な、大事なものをなくしたのです。

 

深い悲しみの中にいながらも、研修参加者の前や私たちの前では笑顔で研修のファシリテーターとして参加者の成長と気づきにコミットしていました。

 

私を含め、チームメンバーが彼から教わったことはたくさんあります。

 

彼は、「過去の自分を受け入れて、手放すことができた。だから前に進める。」と。

「IDLとIDLの参加者みんなのおかげで。」そう言いました。

 

彼の表面上の言葉ではなく、その語りの深さを今までに増して感じました。

何かを乗り越えたひとの語る言葉には重さが宿ります。

 

彼は、自分の中に変化を起こし、次の道へ進むことを決意しました。

人生の中のひとつの段階を終えて。

 

人や組織に関わる仕事をしているわたしたちは

会社や組織の人に纏わる課題に日々向き合う中でときに色んなひとの生きざまを観ます。

 

生きるというのは、楽しくもあり苦しくもあります。

人生とは、出逢いと別れの繰り返しで

時に抱えきれないくらいの大きな喪失を経験することもあります。

 

苦しい経験を経てもなお、前に進んでいこうと立ち上がることは容易いことではありません。

 

それぞれが何かを抱えて生きています。

悲しみや苦しみを少しずつ手放しながら。たたけば埃がでるような後悔も。

折り合いをつけながら、前に進もうとする。

前に進めずに立ち止まる思いをしている人も多いでしょうが。

 

わたしたちは、自分の人生を生きているひとたちに研修などで逢うたび

今日、ここに来てくださってありがとうございます、という思いでいます。

 

その瞬間に全力をかける、そんな思いで

わたしたちのメンバーはその場に関わろうとしています。

時に採算度外視で関わりすぎる、こともあるかもしれません。(で、ちょっと怒られる)

 

それがひとつ、わたしたちらしさ。

少しウェットですが、プロフェッショナルである。

 

出逢いと別れを繰り返し

今日も色んなメンバーが各所でお客様と向き合っています。

 

 

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