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皆さんの仕事の中に、いつもやろうやろうと思っていてもなかなか手がつかない仕事というのはないでしょうか。それらが溜まり溜まってくるとストレスになってしまいます。
モチベーションの理論として有名なブルームの「期待理論」によると、モチベーションというのは「目標の魅力」「達成可能性」の掛け算であると言います。
目標の魅力とは、得られる報酬の大きさ、つまりそれを達成したら得られるご褒美です。金銭的なご褒美でなくても、誰かに喜んでもらえるといったことなども心理的な報酬です。そういう仕事は私たちをワクワクさせ、取り組む動機を高めます。
もう一つ大切なのは「達成可能性」、つまりそれがどれくらい簡単に出来る仕事かという事です。私は、この「達成可能性」の方が目標の魅力よりも大切ではないのではないかと、考えています。
例えば私は、スポーツジムに通っても若い頃から何度も挫折してきました。通い始めるときは、誰しも「痩せて健康に、またカッコよくなった自分」の姿を思い浮かべて、モチベーションが高まっています。
しかし、往々にしてだんだん行かなくなってしまいます。大きな理由は、行くのが面倒になるということでしょう。そうした「面倒くささ」というのは人間のモチベーションの大敵です。これは、あなたが(そして私が)特別にだらしがない人間だからではなく、人間というのはそういう生き物だからです。
そこで、「達成可能性」を高めると言うことが重要になります。達成可能性を高めるとは、「なるべく少ない労力でそれを出来るような条件設定をしておく」と言うことです。つまり、目標の難易度を下げるということです。
例えば今回私は、「会社の目の前にあるジム」を契約しました。それにより、毎日通っても全く面倒くさくなくなりました。また、ウェアも貸してくれるので手ぶらで行けます。洗濯をしてウェアを持参するよりはるかに難易度が低いです。その分少し価格が高かったとしても、後から挫折してしまうリスクと比べれば、投資すべきだと判断しました。
このように、「一歩踏み出す」ことの難易度を下げておくというのが成功のポイントです。
私はギターも弾くのですが、ギターもケースに入れてしまうとなかなか弾かなくなってしまうので、なるべく目の届くところに立てておくのが良いです。パッと手を伸ばすのと、ケースを空けるのだと、時間にして3秒くらいしか変わらないのですが、この僅かな違いも人間は「面倒くさい」と感じるのです。こうした僅かなプロセスも出来る限り削って、タスクを簡単にしておくことが大事なのです。
では仕事で言うとどうでしょうか。仕事において「なるべく簡単にする」というのは、仕事を「細切れ」にすると言うことです。
100ページのレポートを書くのはなかなか気が進まないものです。では、「表紙だけ書く」と決めたらどうでしょうか。それくらいなら1分で出来そうな気がしてきますので、すぐに取り組めそうです。
人間は不思議なもので、一歩踏み出すと、今度は一歩で止まれなくなり、二歩、三歩と進んでしまうものです。表紙を書いたら、ついでに目次や見出しまで書いてしまいたくなります。そうなればしめたものです。そのモチベーションを利用して、2ページ、3ページと進めてしまいましょう。
仕事の能力が高い人というのは、自分のモチベーションの事をよく理解しています。そうやって、こうした「タスクを細切れにする」「一歩だけ踏み出す」ということを取り入れています。
自分自身を過信しすぎず、仕事をなるべく簡単に、ラクなものにしてしまうというのも一つのやり方かもしれません。
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Photo by Danielle MacInnes on Unsplash
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