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AI NEWSLETTER Vol.34 ~ピンチにリーダーがするべきことは?~ – MARCH , 2020

05 3月.2020

ニュースレター34号です。今回のテーマは「ピンチにリーダーがするべきこと」です。

~ピンチにリーダーがするべきことは?~

コロナ騒動が広がっています。今後、ビジネスをする企業への影響はますます広がることは避けられないでしょう。

2008年のリーマンショックの際も世界の経済は大ダメージを受けました。当時私は中堅社員でしたが、自社の採用はストップ、部門は閉鎖され、別な部門に配属となりました。給料も減りましたし、人員削減の対象になった同僚も沢山いて、会社には暗い雰囲気が漂っていました。

今でも思い出すと辛い思い出ですが、それでもいち早く、思い切った策を矢継ぎ早に打ち出していた当時の勤務先の経営陣の気持ちが今ならわかります。

この10年以上、世界の景気は良かったので、不況を経験したことも無い人も多いと思います。しかしながら不況は定期的に必ずやってきます。大切なのはパニックにならず、冷静に適切なアクションを打つ事です。その時に、リーダーの行動は最も大切です。リーダーはどうあるべきなのでしょうか。


1)メンバーを勇気づける
沈没しそうな船の船長が「ヤバイ!ヤバイ!」と言っていては、乗客はパニックになります。リーダーは最も落ち着いて、冷静でいなくてはいけません。

ジャック・マーはSARSの感染者がアリババに出たとき、SARSという課題に挑戦する一方で、アリババ社員としての使命と職責を忘れないでください」と勇気づけるメッセージを送り、社員は一丸となって頑張ったそうです。

自分の心を整えて、大丈夫だ、前を向こう、と言えるように準備しておきたいものです。


2)ピンチはチャンスである
松下幸之助は「好況よし、不況もまたよし」と言いました。

不況は、それをきっかけに自社が変わるチャンスでもあります。ちょうどいま世界中で一気にリモートワークが進んでいるように、実はやりたくても出来なかったことが、強制的に進むチャンスでもあります。

事業ポートフォリオの変更、財務の健全化、従業員への方針徹底、、、。ピンチだからこそできることがあると思います。

過去の自分自身、または自分の会社のピンチ経験を思い出してみましょう。多くは、「あれがあったから成長したなぁ」というものではないでしょうか。

タイで言えば2011年の大洪水はその代表でしょう。多くの方が「大変な経験だったが、皆が一致団結して成長した」と誇らしげに語ります。

そういう意味は、今はピンチに見えても、後から思えばあれがよいきっかけになったと思えるような、チャンスが潜んでいるかもしれません。


3)数字で考える
不安になってくると、目の前の「数千バーツの広告費」なんかも節約しそうになります。しかし、「何でもかんでもストップ」となるとメンバーが不安になってしまいます。また、これまで積み上げてきた活動が元に戻ってしまいます。

止めるべきは止める、しかし続けることは続ける、と判断したいものです。

しっかりと数字を見て、どれくらいの危機を想定するのか、売り上げの最低ラインはどの程度になるのか、を考えて、その上で「今、この数千バーツをカットするべきなのだろうか」とよく考えてから判断するようにします。

「選択とは、自分のビジョンにコミットすること。」

そういう言葉があります。本当にやりたいビジョンがあれば、目の前の不安でストップするべきかどうかをしっかりと考えたいものです。


4)マクロとミクロは分けて考える
私がタイでビジネスを始めたころは、タイのカントリーリスクが高いと見る風潮がありました。

2014年のクーデター、2015年のバンコクでのテロ、と不安をあおるような事件はいくつもあり、タイでのビジネスに二の足を踏む企業もありました。

ただ、個別の企業の話を聞くと、全く影響を受けていないところもあったりします。また、業界によっても傾向は全然違います。それならば、儲かっている業界や企業とお取引をすることが出来るかもしれません。

なんとなく全体に景気が悪いことと、その影響が自社の業績にどれだけインパクトがあるか、は必ずしもイコールではありません。

不況になると、社会全体に不安が漂います。そして色々なものがネガティブに見えてしまいます。しかしそうした風潮で判断するのではなく、自分の目の前のビジネスや顧客の状況をよく見て、アクションを決める必要があります。