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上司との思い出は消えない

12 9月.2019

Asian Identityの大前です。Asian Identityにてシニアコンサルタント・Business Developmentとして働いています。日々、タイを中心に日系現地法人のお客様の人事・組織のお悩みを伺い、そこで私たちが出来うるベストな提案、お手伝いをしようという思いで仕事をしています。

 

いつの間にか社会人12年目、世間でも中堅という年齢になりました。新卒のころは、中堅世代の先輩はずいぶん大人で恐れ多き存在でしたが、いざ自分がその年齢、立場になると新卒のころとあまり何も変わっておらず、人間の持つ根幹の性格は変わらないものだと思う日々です。

人に何かを教えたり、人を育てることを通じて自分の未熟さを知る、組織人事の仕事に携わりながらも、そんなことを痛感する日々を送っています。

自分の未熟さや欠点をも自分のひとつだと受け入れたときに、他人の未熟さも受け入れることができる、といいます。

 

企業様から頂くご要望で多いのは、特にタイ人マネージャー向けのマネージャー研修です。マネージャーの仕事は多岐にわたります。その中でも最も難しいことは部下の育成ではないでしょうか。

部下を育てる、その命題に頭を悩ませる管理職の方は各国共通です。

評価研修やマネジメント研修で頻出する部下へのネガティブフィードバック、部下のキャリアを考えた目標設定やコーチングなど、コミュニケーションのテクニックはあれど一番大事なのは、「とにかく、よく話す機会を作ることだ」と私は思っています。

 

私は今でも心に残る、忘れられない大事な上司がいます。

私は人材業界に新卒で入社したのですが、その会社は所謂営業会社で、数字やKPIに厳しい企業文化でした。その上司の口調は厳しく、私はよく叱責を受けたものです。

同時に頻繁に会社の外に連れ出してもらい、10分や20分程度なのですが、仕事の悩みや愚痴や他部門とのやり取りで困っていることを上司が聞いてくれていました。他にもどんな仕事が楽しかったか、とか、あの時のあの行動は良かったなど。

上司がわずかな時間でも私とコミュニケーションしてくれていた、そんなことを今でもよく思い出します。

「ちょっといいか」という上司の声がけは、私だけではなく周りの先輩やメンバーに対してもありました。

顧客からのクレーム対応も、一緒にお詫び訪問に行き、お詫びの時はこうするんだ、ああするんだ、と色々と教えて頂いたことを思い出します。

OJTが基本、まさに山本五十六のやってみせ、精神で上司は色々と見せてくれていました。そういう姿は記憶に刻まれるものだと思います。

今思うと、管理職という立場で上司本人が一番忙しいのに、なぜ、あんなにメンバーの育成に力を注いでくれていたのか。

それは上司本人しか分からないことかもしれません。

少なくとも、そのとき、私はこの上司とメンバーとお客様のために自分の出来うる限りのことをしよう、そんなマインドでいました。

 

そして自分が体験したことを、いつか自分の部下ができたら同じようになるべくたくさん話す機会を作って、部下が成功体験をたくさん積めるよう精一杯サポートしよう、そういう気持ちで過ごしてきました。

色んな上司がいます。何が正しい、とかはないとも思います。正しい上司像など存在しないのです。

自分はどう部下と向き合えるか、それだけだと。

そこに自分なりの向き合い方の哲学があれば、私はそれでいいと思います。

 

もし今、当時の上司が今の自分を見たらどう思うだろうか。

少しでも「成長したな」と笑ってもらえるように日々お客様と向き合っていきたい、そんな思いでいます。

 

 

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